こちらは解決事例「周産期管理ミスで新生児を窒息させ、脳性麻痺による重篤な後遺障害を生じさせたことについて、1億7000万円で訴訟上の和解が成立した事例」のページです。
妊娠高血圧症候群(PIH)で入院中の妊婦が分娩を迎えました。起坐呼吸など心不全を疑わせる症状が続きましたが、循環器科医の診察がなされることなく、アデホス(ATP)が投与されました。その結果、母親と児の循環不全が起こり、児は脳性麻痺となりました。
平成30年5月某日、初回法律相談。
平成30年5月某日、調査委任契約締結。
弁護士は、任意開示により医療記録を入手したうえ、これを精査しながら、医学文献を検索し、医師(循環器科医、産婦人科医)の意見を得た結果、法律家として有責の確信に至りました。
事案の性質上、請求額が高額になると見込まれましたので、依頼者には、訴訟に進展する可能性が高いことを説明し、納得してもらったうえで、令和元年5月9日、訴訟委任契約を締結しました。
もっとも、示談交渉による解決の可能性も否定しきれないことから、念のため、示談交渉を試みました。具体的には、弁護士費用、遅延損害金、産科医療補償制度補償金(この段階では1320万円)を除き、約1億8500万円の支払を求める詳密な催告書(損害賠償を求める内容証明郵便)を送付しました。
これを受けた相手方は、有責は否みがたいと判断したようであり、その後、数次の交渉を重ねた結果、令和3年3月3日、ほぼ請求額満額にて妥結しました。相手方の対応が誠実であったことも、早期解決の大きな一因でした。
1億9440万円(産科医療補償制度補償金既払金1440万円を含む)の和解が成立しました。