胎児心拍数陣痛図(CTG)上、約1時間30分間にわたり波形レベル4ないし5が持続した後に経膣分娩された児が脳性麻痺となったことについて、1億2000万円(産科医療補償制度補償金既払金を含む)で訴訟上の和解が成立した事例

 

事案の概要

 

妊娠40週2日(初妊初産)における子宮収縮薬を用いない経膣分娩でした。分娩中、胎児心拍数陣痛図(CTG)上、約1時間30分にわたって波形レベル4ないし5が持続しました。しかし、担当医は、急速遂娩を行いませんでした。児は、経膣分娩されましたが、結果的に脳性麻痺となりました。なお、産科医療補償制度による補償対象となりました。

 

弁護士の方針・対応

 

平成26年4月某日、初回法律相談。

 

平成26年4月某日、調査にて委任契約締結。

 

弁護士は、任意開示により医療記録を入手し、調査した結果、有責の結論に達しました。

 

しかし、相手方は、「胎児心拍数モニタリング所見から予想される児の状態と出生後の児の状態が相当乖離している」、「胎児心拍数モニタリングで決定的に悪い所見がなかった」などと述べ、無責の見解を明らかにしました。

 

弁護士は、この状態で患者側が権利を実現するのに、示談交渉では捗々しくないと考え、訴訟を提案しました。

 

平成27年9月某日、訴訟委任契約締結。

 

種々の追加調査を行ったうえ、平成28年6月28日に提訴しました。その後、1年8か月の間に15回の期日を重ね、平成30年2月26日に患者側実質的勝訴の和解に至りました。

 

なお、原告側は、主張書面として計71頁4万5940字を起案し、証拠は枝番を除いて計43号証を提出しました。

 

結果

 

確保した経済的利益は1億2000万円(産科医療補償制度補償金既払金を含む)でした。

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